スペインの通信事業者テレフォニカの会長兼CEOのマーク・ムルトラ氏が3月3日、MWC2025の開会セッションにおいて、欧州の通信事業者が規模を拡大し、技術的可能性を強化できるよう欧州の通信部門における統合を認めるよう呼びかけた。「欧州の大手通信事業者を統合し、成長して新しい技術力を生み出すことが認められるべき時が来た」と述べるとともに。「これが実現しなければ、世界における欧州の地位は低下し続け、自主的に将来を決定する能力を失うだろう」と警告した。
ムルトラ氏によると、通信業界が歴史的に欧州の技術進歩において果たしてきた主導的な役割を擁護し、新しい超ブロードバンドネットワークの力とクラウドベースのアーキテクチャがもたらす新たな機会を強調した。だが、これを実現し、チャンスをつかむためには規模と能力の拡大だけが欧州で劇的な改善を達成することを可能にすると認識しなければならないという。「欧州TMT(テクノロジー・メディア・テレコミュニケーション)の過度な細分化、過剰な規制、不十分な業界収益が欧州の技術的に後れを取らせることになった」と指摘する。
同社によると、米国、中東、アジアなど他の地域は十分な企業になっており、革新と新技術の開発を展開できる、良い環境があるとの見方をしている。「我々は今、ビッグテック企業が再び急激な変化をけん引する新しい時代にいる。巨大企業はほぼ独占的な市場で支配的なプレーヤーとして活動し、深い知識を持つ」とムルトラ氏は言う。「これらの巨大企業はすべて米国と中国に拠点を置いている」と続け、欧州がこの分野で進歩を遂げる必要性を強調した。(田中克己)