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ITビジネス研究会について

設立趣意書

「今こそ目覚めよ、そして立ち上がれ中小IT企業」

 「受託ソフト開発会社はもう終わり!」「スルガ銀-日本IBM裁判からみえるSI時代の終焉」。日経BP社のWebサイトITProに、受託ソフト開発が大きな岐路に立っていることを指摘し続けてきた。多くの企業が膨れ上げるIT投資の効果に不満を募らせており、IT予算を抑制し始めている。今後受託ソフト開発、つまりシステム構築の需要は縮小の一途を辿るだろう。

 その一方で、「所有から利用」へと新しいコンピューティング環境への移行が加速している。成長に向けた施策を達成する革新的なIT活用を求めているのだ。

 言われた通り作り上げる伝統的な受託ソフト開発はそれに応えられない。大手ITベンダーを頂点とする人月ベースの多重下請構造を破壊し、新しいビジネスモデルを創造することが、今まさに必要とされているのだ。

 そのため、IT企業は受託ソフト開発からサービス提供型へ、労働集約から知識集約型へと事業構造を転換させようとしている。だが、大手IT企業は掛け声だけで、動こうとはしない。目先のことを考えるのに精一杯で、明日のことを考える余裕がないのだ。だが、ユーザーは期待以上のサービス、感動、感激するサービスを求めている。

 それに応えられるのが、「実行力と行動力」のある中小IT企業だと信じている。現にこれまでも大手IT企業の陰となって支えてきたのは、紛れも無く中小IT企業である。

 「当社には人材がいないし、技術力もない」と嘆いていたら、淘汰の波に飲み込まれてしまう。もはや大手に頼ることは不可能なのである。市場とユーザーの変化をいち早くつかみ、求められているサービスを開発する。新しいビジネスモデルを生み出し、夢のある産業に発展させることだ。

 「この世に生き残るものは、最も力の強いものでも、最も頭のいいものでもない。それは変化に対応できるものである。」(ダーウィンの進化論)

 こうしたIT企業を取り巻く現状を認識し、「明日のIT企業像」を考えるためにITビジネス研究会を発足させ、手始めに、IT業界の動向をウオッチするとともに、新サービスや新しいビジネスモデルを創造したIT企業を研究する。

 「立ち上がれ、中小IT企業」、そして「志ある大手ITベンダーのIT技術者よ、今こそスピンアウトを」。そこから、ニッポンのIT企業の将来が開けてくる。

2012年7月4日

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