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2026.03.12

【MWC26】ソフトバンク、AI-RANと6Gを見据えたO-RANを推進

 ソフトバンクは通信インフラを提供する「モバイル通信事業者」から、全国規模の分散インフラを活用する「AIインフラ事業者」へと変革する姿を示す。それを実現するのが「テレコムAIクラウド」や「AITRAS(次世代アーキテクチャ)」などになる。

 テレコムAIクラウドは、中央データセンターで「大規模な学習」、地域拠点で「高性能な推論」、そしてエッジ(AI-RAN)で超低遅延の推論を実現するインフラになる。日本では、北海道・苫小牧(300MW級)や大阪・堺(250MW級)で大規模なデータセンターを立ち上げ、NVIDIAの最新GPUを導入する。

 AITRASは、AIとRAN(無線アクセスネットワーク)を融合する仕組み。RAN専用ハードウェアを使わず、共通のGPU上での無線処理とAI処理を動的に共有・実行する。そこに、Infinia AIと呼ぶクラウドOSを展開する。複雑化するGPUインフラの運用課題を解決するためのソフトウェアで、AIエンジニアがインフラ管理に煩わされず、AI開発に集中できるようにするもの。もう1つは、オープンソース化したAIオーケストレーター。分散データセンターの中で、AIをどのデータセンターで動かすのが最適化なのかを決める機能。消費電力やリソースの空き状況などをもとに、AIが自動で割り当てを行う「ダイナミックスコアリングフレームワーク」をOSS化もする。

 MWC26には、同社単独で巨大な会場ブースを構えるのではなく、グローバルアライアンスサミットへの登壇や、主要パートナー企業のブース内での共同展示・セッションを中心に最新技術をアピールする。主なテーマは大きく3つになる。1つは、「AI-RAN」と6Gを見据えた自律型ネットワーク(O-RAN)だ。通信インフラ上でAI処理を同時に行う「AI-RAN」のキープレーヤーとして活動しており、3月3日のO-RANアライアンス・サミットに参加し、自社の商業ネットワークにおけるAI・自動化の導入実績を語る。エリクソンが主催するセッション「6Gをいかに成功に導くか」などにパートナーとして参加もする。AIが自動で基地局の電波(Massive MIMO)を最適化し、消費電力を抑えるソリューションの実績をあるという。ちなみに120社以上が参加するAI-RANアライアンスの中心的な役割を果たし、ノキアやエリクソンと通信とAIを連携させる機能で協業も進めている。

 2つめは、エージェント型AIと法人向けソリューションになる。米OpenAIと設立した合弁会社「SB OAI Japan」を通じ、自律的にタスクを遂行するエージェント型AIプラットフォームを2026年から展開する。タイの通信大手Trueの法人部門(TrueBusiness)と提携し、法人向けのデジタル・AIソリューションを共同開発する取り組みなども推進している。

 3つめは、次世代の宇宙通信(HAPS・LEO)だ。NICT(情報通信研究機構)やArkEdge Spaceなどと提携し、2026年から2027年に打ち上げ予定の低軌道衛星(LEO)や成層圏通信プラットフォーム(HAPS)を活用し、宇宙・地上における「光通信デバイス」の開発状況やビジョンを発信する。同社は「通信インフラのAI化(AI-RAN)」「法人向けエージェントAIの実装」「宇宙空間ネットワーク」の3本柱で、MWCに挑む。(田中克己)

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