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2024.03.06

サイボウズの23年度、kintoneが総売り上げの半分に

 グループウエアなどを展開するサイボウズの23年度(12月期)は、売上高が前期比15.2%増の254億3200万円、営業利益が同454.9%増の33億9400万円だった。青野慶久社長は「広告費を20億円減らした一方、研究開発費を増やした」と、2月27日の決算説明会で経営状況を説明した。広告は、ローコード開発ツールkintoneの認知度アップを目的にし、24年度は「バランスをみながら広告を打つ」計画。ちなみに、kintoneの売り上げは約25%増の約130億円と総売り上げの半分を占める。

 青野氏が懸念するのは、クラウドの伸びが低下していることと、1社あたりの購入単価が小さいこと。とくにkintoneは特定の部署でしか使われていないこと。そこで、全社活用へと広げさせるために、kintone上で情報共有できるメール共有オプションを年内に提供する。専用プラグインも夏までに用意する。これまで作成できるアプリが1000個だった全社導入ライセンスの上限も上げる。

 エコシステムの強化も図る。パートナーは約450社になり、連携サービスも350以上になった。パートナー同士の連携も芽生え、パートナーが開発したソリューションをベースにしたセミオーダー型ソリューションの品ぞろえが進む。ユーザー企業のパートナーも生まれる。22年10月に資本業務提携したリコーはこの1年間に、約1000のkintoneユーザーを獲得する。米国の市場開拓もサイボウズの直販からリコーが担うことになった。

 クラウド基盤の品質向上にも取り組む。「欧米クラウドではなく、自社開発、運用する純和製だ」(青野氏)。障害に強く、スケーラ―ビリティや信頼性が高いなどの新クラウド基盤を25年から26年にかけて作り上げる計画。こうした施策で、24年度は、売上高287億円、営業利益約30億円を見込む。この4月から5月に新クラウド基盤に必要な機材の購入や人件費増などで減益を予測する。(田中克己)

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