米デルテクノロジーズの日本法人が中堅企業のIT投資動向調査の結果を発表した。とくにBCP(事業継続計画)とバックアップ、仮想化への関心が高まっている一方、DX(デジタル変革)やIT人材育成に関する悩み、課題も浮き彫りになったという。DX実現に向けた支援策は「基礎的な技術要素を学ぶ勉強会」、「情報共有のためのコミュニティ参画」が上位を占めるなど、「学びと共有の場」が圧倒的に不足している。
デジタル化への投資に対しても、費用対効果や実現性の検証、企業の規模にあわせたスモールスタートへの準備などの課題を抱えている。デジタル化推進に向けた人材確保は、自社内で人材を育成するなど内製を重視する傾向がみられたという。興味深かったのはBCP対策費用が増加したこと。BCP投資をしない企業は、昨年調査より9ポイントもダウンする。同社は「19年の度重なる自然災害に対し、災害対策費用を計上し、投資を進める企業の意識の変化がデータで物語られている」と分析する。(田中克己)