スウェーデンの通信機器ベンダー、エリクソンが12月8日、「モビリティレポート」を発表した。同レポートは、5G SA(スタンドアロン)の展開により、2025年にネットワークスライシングによる「差別化された接続」の商用サービスを提供する通信事業者が顕著に増加するなど、モバイル市場における通信事業者らの動向を分析したもの。
5G契約数は2025年末までに前年同期比約6億件増の29億件超と予測する。日本法人のCTO、鹿島毅氏は「順調に伸びている」と述べ、モバイル加入契約の約3分の1に相当するという。5Gの地理的カバレッジは、2025年内に世界中で新たに4億人がアクセス可能になり、中国を除く世界人口の約50%が提供エリアに入った。5G SAネットワークを導入または段階的に導入している通信事業者は、前年同時期から約30社増え、90社以上になる。
モバイルネットワークのトラフィックの伸びは、2025年に前年同期比で約20%増え、5Gの比率も2025年の43%から2031年に83%に高まる。とくにIoT接続が年2ケタ増を続け、2025年の45億件から2031年に80億件弱にもなる。6つの事業者がこれらの5Gサービスを提供もする。
FWA(固定無線アクセス、Fixed Wireless Access)は、2031年末までに世界で約14億人がFWAブロードバンドにアクセスし、その90%が5Gベースの利用と予測する。とくに米国とインドが大きく伸びている。FWAは、5Gのマネタイズにもつなげられる。1つは速度ベースの料金体系を可能すること。2つめは、サービスをバンドリングするなどし、ユーザー体験にフォーカスしたもの。スポーツやゲームのスライシングにも可能性があるという。例えば、セーリングなど競技をリアルタイムに中継すること。
一方、世界の6G契約者数は、2031年末までに1億8000万件に達すると予測。米国、中国、日本、韓国、インドなどが早期に展開する。欧州は、他国より約1年遅れて開始される見込み。(田中克己)






