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2026.02.03

「AIエージェントによる新しいショッピング体験を提供」、インドinMobiのCEOが語る

 モバイル広告プラットフォームなどを提供するインドinMobiのナヴィーン・テワリCEOが1月27日の来日記者会見で、AIによる「Agentic Shopping」の未来について語った。

 同社は「生成AIカンパニー」と位置づけ、大きく2つの柱で事業を構成している。Glance(コンシューマ向け)は3億7000万人のユーザーを擁するプラットフォームで、Agentic Shopping機能を提供する。もう1つのInMobi(エンタープライズ向け)は年間25億ドル規模の広告費が動く広告プラットフォームで、AIを活用した広告配信を担う。これらを統合し、AI時代の新しい広告とショッピング体験をグローバル(北米、日本、欧州を主要市場)に展開している。特に日本は、インド国外で最初のオフィスを開設した重要な拠点になる。

  テワリ氏は「Agentic ShoppingがEコマース登場時と同様の、あるいはそれ以上の破壊的イノベーションをもたらす」と強調した。 「ショッピングのためのGPTのようなものであり、テキストだけでなく、ビジュアル(画像)を主体とするVisual GPTであることが大きな特徴」。ファッション、アクセサリーに加え、特に日本市場で需要の高いペット、さらに美容、インテリア、旅行などのカテゴリーに対応したモデルを学習させている。

 核となるテクノロジーは、3階層のAIモデルからなる。1つめのCommerce Intelligence Modelは ショッピングに特化した基盤モデル。2つめのUser Modelはユーザーの文脈(コンテキスト)を理解するためのモデル。「誰が何を好むか」という個人の趣味嗜好や状況を把握する「コンテキストグラフ」を構築している。3つめのGeneration Modelは、上記の情報を元に、テキストではなく、画像を生成(ビジュアル・プロンプティング)し、ユーザーに最適なアウトプットを提供する。

 同社のAIエージェントは「オープンアーキテクチャ」を採用し、あらゆるデバイスや環境に組み込むことが可能。プレゼンテーションでは、主にテレビとモバイル、ブランドサイト」への展開例を紹介した。1つめは、テレビのフロントスクリーン(スクリーンセーバーなどの待機画面)を、静止画ではなく、エージェンティックな動的コンテンツに変える。 ドラマや番組を見ている最中に、登場人物が着ている服をAIが解析し、似た商品を即座に提案・購入できるようにもする。さらに 家族写真をアップロードしてバーチャル旅行体験(背景をNYやシカゴに変えるなど)を楽しんだり、音声でテレビに話しかけて商品を検索・購入したりすることができる。すでに多くのテレビメーカーが導入を進めているという。

 モバイルでの体験では、スマートフォンのロックスクリーンをメディア化し、そこから直接ニュース閲覧やショッピングを可能にする。ユーザーは「セルフィー(自撮り)」を1枚登録するだけで、AIエージェントが自分に似合う服を数百万の商品から選定し、自分がそれを着ている画像を生成してフィードに表示する。肌の色、体型、職業(プロフェッショナルな服装など)に加え、位置情報や天候まで考慮し提案する。

 Eコマース企業やブランド(例:Gucci、David’s Bridalなど)のWebサイトにエージェントを組み込むこともできるという。サイト上に設置されたボタンを押すだけで、サイト内のモデル画像が「ユーザー自身がその商品を着用している画像」にリロードされ、試着体験がWeb上で完結する。inMobi/Glanceは「この革新的なAIエージェントを通じて、静的なショッピング体験を動的でパーソナライズされた体験へと変革し、ショッピングの世界を再定義する」という。(田中克己)

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