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2024.11.05

組織にインパクトをもつ10の戦略技術、ガートナー

 ガートナージャパンが10月28日、2025年に企業や組織にとって重要なインパクトを持つ「戦略的テクノロジーのトップ・トレンド」を発表した。バイスプレジデント兼アナリストの池田武史氏は、「AIの最重要課題とリスク」、「コンピューティングのニューフロンティア」、「人間とマシンの相乗効果」の3つのカテゴリから10のトレンドを予測した。

 1つめは、エージェント型AI。ユーザーが設定した目標を達成するために自律的に計画を策定し、行動を起こすもの。自分が休んでいる間も働いてくる相棒で、「2~3年経つと戦略に組み込まれる」。2つめは、AIガバナンス・プラットフォーム。組織がAIシステムの法律や倫理、運用面のパフォーマンスを管理できるようにするもの。「まだ未成熟で、どうビジネスに組み込むのか」という段階。

 3つめは、偽情報セキュリティ。情報の信頼を体系的に見極め、完全性の確保、真正性の評価、なりすましの防止、拡散する有害情報の追跡のための方法論体系を提供するもの。4つめは、ポスト量子暗号。量子コンピューティングによる暗号解読のリスクに強いデータ保護機能を提供するもの。5つめは、環境に溶け込むインテリジェンス。超低コストの小型スマート・タグとセンサーによって実現し、大規模で手頃な価格の追跡とセンシングを提供する。

 6つめが、エネルギー効率の高いコンピューティング。2020年代後半から、AIや最適化といった特別な目的を持つタスク向けに、光学、ニューロモルフィック、新型アクセラレータなど消費エネルギーが大幅に少ない新たなコンピューティング・テクノロジーの登場が予想されている。7つめは、ハイブリッドなコンピューティング・パラダイム。異なるコンピューティングとストレージ、ネットワークのメカニズムを組み合わせて、コンピュータ処理に関わる問題を解決するもの。8つめは、空間コンピューティング。拡張現実 (AR) や仮想現実 (VR) などを用いて物理世界をデジタルで強化するもの。

 9つめは、多機能型スマート・ロボット。複数のタスクをこなす能力を備えており、単一のタスクを繰り返し実行するようにカスタム設計されている。人間の80%が2030年までにスマート・ロボットと日常的に関わるようになるという。最後は、神経系の拡張。脳の活動を読み取り解読する技術を利用して、人間の認知能力を向上させるもの。「何を考えているのか、たとえば『疲れている』と分かったら、負担を減らすこと」を支援するもの。(田中克己)

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