情報処理推進機構(IPA)がこのほど、日本企業が取り組むDXとその成果などを調査した結果をまとめた「DX動向2024」を公開した。これまでDX白書と呼んでいたものを、DX動向とした意味は不明だが、後退したイメージを持った。
IPAによると、調査結果からDXの取り組みは順調に進んでおり、成果が出ている企業の割合も増加傾向にある。一方で、DXの取り組みをデジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションの3段階に分類すると、真のDXであるデジタルトランスフォーメーション段階の成果が他の段階に比べて、道半ばであることが分かったという。
DXの取り組みは、2021年度から年々増加傾向にあり、今回調査では7割強に達した。その中で、「全社戦略に基づき、全社的にDXに取り組んでいる」と「全社戦略に基づき、一部の部門でDXに取り組んでいる」、「部署ごとに個別でDXに取り組んでいる」の合計の割合は2021年度の55.8%から73.7%に増えており、着実にDXが企業に浸透している。
設定した目的に対する成果も、「成果が出ている」企業の割合が2022年度調査の58%から2023年度調査は64.3%に増加する。ただし、9割程度の企業が「成果が出ている」と回答した2022年度の米国と比べると、道半ばの状況だ。DXの取り組み状況は米国並みに進みつつある中で、成果創出につながっていない企業があるのはどこに課題があるのか。DX動向はその分析をしていない。(田中克己)
https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/dx-trend-2024.html