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2024.06.26

データ活用から新たな収益源を創出するクニエの支援サービス

 NTTデータグループ傘下のコンサルティング会社クニエが6月17日、データマネタイゼーション・アイデア抽出サービスの提供開始を発表した。企業が保有するデータから新規ビジネスの可能性を抽出、一覧化し、事業化の可能性評価からアイデアの選定までを支援するコンサルティングサービスになる。データマネタイゼーションを進めるうえで、最初期のアイデア創出フェーズで網羅的に抽出された案から有望なアイデアを選定することで、ユーザー企業は検証~構築フェーズにおいて、手戻りなく推進し、早期に事業化に向けたアクションを可能になるという。料金は1.5カ月からで、500万円以上から。

 同社で新規事業戦略を担当する天野秀俊氏によると、データマネタイゼーションはデータを活用し、新たな収益源を創り出すること。例えば、ECのアマゾンが売り上げデータから融資事業を開始したり、アップルがアップル・ウオッチによるバイタルや診断結果を活用したメディカルサービスを開始したりすること。しかし、事業化できたのは35%、収益化できたのは15%という同社の調査結果(22年)がある。顧客ニーズを理解していない、など様々な要因が考えられる。

 そこで、天野氏は「ユーザーが金を払ってまで使ってくれるサービスを一緒に考え、売り歩くことまで寄り添う」と、1つの事業の上流から下流まで支援することを考えたという。具体的には、新規事業開発の伴走、アイデア診断、人材育成になる。バックキャストでアイデアを考え、技術の社会実装を探索する。さらに事業をいかにグロースするかまで踏み込む。実は、ニーズ起点の新規事業の成功事例は少ないのに対して、アイデア起点の新規事業は成功につながる。「自分が持つ既存事業のアセットを活用するかだ」という。

 例えば、自動ドアなどを展開するナブテスコは、自動ドアのセンサーデータを活用した新規ビジネスを検討している。「アイデアを精査し、金をもらえるものを考えている」(黒須昭仁氏)。サイキンソーは大腸内の生息している細菌の集合体、腸内フローラを検査し、そのデータの活用を検討する。蓄積した検査データを腸活商品メーカーに提供し、検査後の腸活を補完するエコシステムの形成を目指すという。

 クニエは同支援サービスの拡充にも取り組む。「企業が持っている情報だけでマネタイズするのは難しい」(天野氏)ので、データの掛け合わせがキーになる。そこで、キーとなるデータとのコラボレーションを図る仕組みを作り、コンサルティングをしたり、マッチングしたりするなど、トータルのソリューションを提供していくという。(田中克己)

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