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2022.08.19

学び意識が低い日本の社会人、ベネッセ調査

 ベネッセコーポレーションが8月4日に発表した社会人約3万5000人を対象にした「社会人の学びに関する意識調査2022」によると、日本の社会人の学びへの意識が低いことが分かった。同社はその結果から、リスキリング(スキルの再開発)の重要性を導き出す。

 同調査によると、国内社会人の41.3%が1年以内に学習するつもりのない「学びに無関心」と回答する。つまり、社会人の4割超が入社後、学習の経験がなく、学ぶ必然性も感じないということ。「個人の働く期間が長くなり、キャリアがメインストリームになっているのに、学びがキャリアアップや給与アップなどにつながらないことにある」と、同社の飯田智紀氏は考えている。「学ぶことが、どんな価値になるのか創っていく必要がある」と、続ける。

 そんな「なんで学ぶの層」が、「学ぶのに必要なきっかけ」に1位に挙げたのが「仕事で必要になる」(37.5%)になる。それに「お金に余裕ができる」(36.3%)、「達成したい目的がみつかる」(30.3%)が続く。この結果から、同社はリスキリング推進は、企業や組織が一体となったアプローチが有効だという。

 業界別に同社が提供する学習プラットフォームudemyにおける人気講座のトップをみると、「ITを作る人」では、SIer・ソフト開発業がAWSなどクラウド技術になる。自動車・輸送用機器は自動運転などAIを始めとする最先端技術だが、業務効率化に取り組むためにExcel VBAとする社会人も少なくない。輸送・物流は、配達員の業務効率化につながるAI技術の導入などを目的としたリスキルのため、AIやPython関連の講座が上位を占める。

 一方、「ITを使う人」の業界別の人気講座は、銀行・証券が若手のITリテラシー育成として、ITパスポート資格取得を推奨する。地銀は、地域の中小企業のIT化などの支援につなげるITリテラシー向上の獲得への動きがある。広告・放送・新聞は、デジタルマーケティングやWebデザインなど新たな知識習得に動く。不動産は、オフィスビルの入居者への付帯サービスの提供など、顧客接点などのDX関連スキルの取得を加速させる。総合商社は、マイクロソフトのデータ可視化ツール「Power BI」の受講がトップになる。同社は「個人の成長が組織の成長へのサイクルになる」と、リスキリングの重要性を訴える。(田中克己)

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