米IBMがこのほど公表した「AIリーダー」企業のAI戦略に焦点をあてたレポート「AI in Action」によると、回答者の15%がAIを活用してビジネス全体の価値を最大化することに関して、「同業他社を大きく引き離している」と回答した。そんな企業を「AIリーダー」、残りの85%の回答を「学習者」と呼ぶ。
同レポートは、IBMが委託したハリス・ポールが2024年2月20日から4月24日にかけて、米国、日本、ドイツ、英国、インドのITおよびビジネスの意思決定者(2000社)を対象に実施したもの。IBM によると、AIリーダーの3分の2が「AIによって、収益成長率が25%以上改善した」と回答する。そんなAIリーダーには4つの特長がある。1つは、AI投資に関して、AIリーダーの71%が「自社は非常に積極的」と回答していること。学習者は19%にとどまる。2つめは、AIリーダーの61%が「AIイニシアチブをサポートするために、組織のデータにアクセスし、効果的に管理する能力に自信を持つ」と答えていること。ちなみに学習者は11%だ。
3つめは、AIの成熟度を達成するために必要なことについて、「経営メンバーがITリーダーシップと完全に足並みを揃えている」との回答は、AIリーダーが72%、学習者が36%と2倍の差があった。AIリーダーは顧客体験、IT運用と自動化、仮想アシスタント、サイバーセキュリティの4つのユースケースに投資する可能性が高いという。4つめは、「AIの取り組みをカスタマイズして最適な価値を実現する能力に自信を持っている」との回答が、AIリーダーの72%に対して、学習者は33%と、ここも2倍以上の差があったこと。独自のソリューションを作成するために、APIを使用する学習者が28%に対し、AIリーダーは61%と、ここも高かった。(田中克己)