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2024.03.12

日本の従業員エクスペリエンスが低下傾向に、米社調べ

 米クアルトリクス日本法人が3月5日、2024年の従業員エクスペリエンス(EX)トレンドレポートを発表した。AIなどテクノロジーの導入が従業員の感情や意欲にどんな影響を及ぼしているかなどを調べたもので、多くはテクノロジーを肯定的にとらえているが、抵抗感を持つ従業員も少なくないことも分かった。

 日本国内の2002人(世界は約3万7000人)に、職場でのAI活用に肯定的な回答は27%だった。ちなみに米国は38%、ドイツの34%、英国の31%だ。同社によると、「文章作成や事務補助など、従業員がAIを活用したいと思える分野を見極めることが、AI活用意欲を向上させるカギ」と示唆する。

 働き方はハイブリッド型を好む傾向が強くでている。同社によると、日本の労働者の通勤時間は日数で年間15日にのぼり、ハイブリッド型にすれば、毎週7時間分の余剰時間を取り戻すことができるという。EXの主要指標である「エンゲージメント」と「EXギャップ」、「継続勤務意向」、「インクルージョン」、「ウェルビーイング」において、ハイブリッド型の出社形態で働く従業員が最も高い回答率になった。しかし、EXは昨年から低下傾向にあり、とくにウェルビーイングとインクルージョンの低下が顕著。エンゲージメントと継続勤務意向もやや低下する。

 また、現場の最前線に立ち、顧客と接する立場の従業員のEXに対する否定的な回答が多い傾向にある。モチベーションと満足度が最も低いのは、レジ係や飲食店の給仕係、銀行の窓口担当者、小売店の店員などで、報酬・福利厚生のニーズが満たされておらず、業務を効率的に進めるためのサポートが十分ではなく、業務改善の提案もできないと回答している。(田中克己)

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