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2024.03.05

生成AIが業務を25%効率化、NRI調査

 「生成AIを業務に使っている人が23年5月調査の9.7%から23年10月調査で12.1%に増えた」。野村総合研究所の鷺森崇氏は2月27日、生成AIの活動動向に関する会見で普及状況を語った。業種でみると、製造と金融の導入が進んでいることも分かった。

 だが、米国に比べて、日本の生成AI導入は遅れている。塩崎潤一氏によると、業務で使っているのは、日本の約10%に対して、米国は約25%だ。23年8月の調査なので、「今は日本が25%、米国が50%かもしれない」が、いずれにしろ遅れている。AIに対する考え方の違いにもある。日本人のAI肯定派は4割超で、不安は2割程度だ。個人情報の漏えい、情報の信頼性など生成AIに対する懸念は持っている。この不安を取り除けば、生成AIの普及はさらに加速するかもしれないという。

 しかも、生成AIを活用する人は「業務の約25%程度を効率化できる」と答えている。日本人はAI活用に積極的で、「何かいいことがある」と期待することもある。ただし、生成AIに対する知識がまだ低い。例えば、ディープフェイクという言葉を知っているのはわずか4分の1。LLM(大規模言語モデル)になると、約15%だ。塩崎氏は「普及には、期待を醸成し、ハルシネーションなど課題を伝えること」と説く。米国人のような「仕事を奪うなど不安や怖いイメージをもっている」比率は低いという。

 それにデータ分析者らが使うプラットフォームkaggleを利用する日本人が世界で最も多いそうだ。生成AIの普及を裏付けるデータともいえる。半面、企業としてではなく、個人利用なことと、トップクラスが少なくことが気になる。データ活用の意義を理解できる経営者の決断に、普及がかかっているように思う。(田中克己)

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