ナイス・ジャパンが8月4日、企業と消費者間のCX(カスタマ・エクスペリエンス)に関する調査を発表した。多くの消費者が問い合わせをインターネットやFAQ検索から行う。ところが情報の中身を更新していないことで、情報やデータの内容がユーザーの求められているものになっていないことがある。一方、企業側は満足できるものを用意していると思っている。そこに、企業と消費者の間に大きなギャップが生まれ、結果的に購買意欲の低下を招いているという。
FAQやネットから満足な回答を得られない消費者は、コールセンターに電話する。しかし、なかなかつながらない。そこで、大企業の6割がAIチャットなどデジタルチャネルの整備に取り組む。ところが、消費者はチャネル間の連携に不満を募らせる。消費者の声を収集、分析できていないので、チャネルごとに同じことを何回も尋ねることだ。
実は、問い合わせの解決度合いは、電話が一番高い。次いでメール、Web問い合わせフォームなどと続き、AIチャットボットは最も低く、解決できたのは電話の半分にも満たない。データなど情報が蓄積されていないからだ。使いやすさにも課題がある。そのため、同社はチャネル間連携を図ることを説く。コールセンター要員の在宅勤務を可能にすることも重要だという。安藤竜一社長は「対面からデジタルにシフトしている」と、消費者の購買変化に体操するため、知識の蓄積と情報の更新速度を提案する。(田中克己)