「2025年はAR(拡張現実)グラス元年になる」。ARグラスのレンズを開発、販売するスタートアップのCellidでCPOを務める坂井啓介氏は9月26日のITビジネス研究会主催の特別セミナーで、ディスプレイを小型化する技術などによって、1人1台のARグラスを持つ時代の到来を予測する。
同社はARグラスの心臓部であるディスプレイ(レンズ)のほか、マイクロプロジェクター、さらにリファレンスモデルの提供まで手掛けている。ガラスだけではなく、プラスチックの透明なレンズを量産化できる段階に入っている。「フルカラーで提供できるのは当社だけ」と、坂井氏はビックテックなどにレンズ採用を働きかけている。2024年10月にはリファレンスモデルを用意したところ、生成AIの活用から翻訳、買い物、教育、スポーツ、工場など様々な用途でPoC(実証実験)が始まっているという。
確かに、2025年に入って、メタが新しいARグラスを発表するなど、ARグラスはスマートフォンに代わる次世代デバイスとして脚光を集めている。我々の生活やビジネスをどう変革するのか。リファレンスモデルを活用し、IT企業が新たなビジネスを創り出すチャンスだ。なお、講演の詳細を希望な会員やCellidとコンタクトを取りたい方は事務局に連絡をください。(田中克己)