ITビジネス研究会は2月例会(2月22日)で、日経BP総研上席研究員の谷島宣之氏による講演「過去に学ばず同じ失敗が続く、歴史無き日本の情報システム」を開催した。情報システムの変遷と、IT部門が似たような失敗を繰り返す原因を指摘し、解決策を提案した。最大の問題は、設計図を作成せず、曖昧なままシステム作りを始めてしまうことにある。結果、再構築時に、一から作り直すことになる。
谷島氏は「IT企業が、相手が何を言っているのか理解すること」と、ユーザー側に寄り添うことを説く。言葉の定義も忘れてはならない。たとえばDXと言っても、ユーザーとIT企業では、理解が違っていたら、どうなるのか。谷島氏はそれをユーザーの地図を作ることと表現する。地図作りにはエンタープライズアーキテクチャなどの手法も使う。「動かないコンピュータ」などを通じて、情報システムに携わる人たちにあるべき姿を提言し続けている元日経コンピュータ編集長の谷島氏の講演録画が必要な方は事務局まで連絡をください。(田中克己)