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2025.09.23

AIエージェント活用の業務プロセスが急拡大、IBM調べ

 日本IBMが9月12日に公開した米IBM Institute for Business Valueが世界の経営層2900人を対象に実施した「AIエージェントとエージェント型AIに関する最新のグローバル調査の日本版『AIを「投資」から「価値創出」へ』」によると、エージェント型AIを活用した業務プロセスが現在の3%から2026年までに25%へ急拡大すると予測する。回答者の70%がエージェント型AIは「自社の将来にとって重要」とし、積極的な試験導入を推進する考えも示す。

 同調査によると、企業はAIエージェントを「インテリジェント・オートメーションを進化させる新たな手段」と位置付けている。例えば、経営層の83%が2026年までに業務効率を向上させることを、71%が業務プロセスや環境の変化に自律的に適応することを、それぞれ期待している。そのエージェント型AI導入がもたらすメリットは「意思決定の向上」、「自動化によるコスト削減」、「競争優位性の実現」、「従業員の専門性を組織全体で共有・活用」、「人材定着率の改善」の5つになる。

 調査では、AI投資が増加傾向にあることも分かった。IT投資に占めるAI投資は2024年の12%から2026年には20%に達する。しかも、AI投資の64%が中核業務に集約し、AIを場当たり的に導入する企業は19%から6%へと減る。25%がすでに業務プロセスの一部をAIで効率化するのではなく、AIを前提に業務全体を再設計する「AIファースト」なアプローチにする。しかも、「AIファースト」な企業の半数以上が、AI施策によって「収益成長率と営業利益率が改善した」と回答した。

  同調査は、日本企業が直面する構造的な課題と解決策も提案する。「業務パッケージの未活用」、「業務標準化の遅れ」、「データのサイロ化」の3つの課題を克服するには、AI導入を部分最適ではなく、全社最適として捉え、業務プロセスの再設計やデータ統合、KPIに基づくプロジェクト運営などを通じて、持続的な価値創出を目指す姿勢が求められる。IBMはそう主張する。(田中克己)

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