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2024.12.17

GitHubの日本市場開拓策、チームのスキル向上とAI活用の定着

 AIを活用した開発プラットフォームGitHub Copilotの利用者が拡大している。2021年に提供を開始した生成AIでコード生成を支援するGitHub Copilotの有償ライセンス数は、世界で約180万人、企業数で約7万7000社に達する。日本の利用者数を公表していないが、GitHub リージョナル ディレクターの山銅章太氏によると、日本のAI利用率は高いという。

 そこから推測してみる。GitHubのアカウントを持つ開発者らは世界で1億人超、日本で約350万人(前期比23%増)になる。その比率から日本のGitHub Copilotの利用率を仮に総数の5%なら9万人、同10%なら18万人になる。企業数いので、は、日本は多重下請構造ですそ野が広利用比率はさらに高くなり、仮に5%なら4000社弱、10%なら8000社弱になる。

 山銅氏によると。日本のAI利用率が高いのは、政府らがAI活用を推奨していることと、企業がAI活用ガイドラインをいち早く作成したことにもある。著作権侵害などリスクを回避するために、部門を越えた利用環境を整えるために開発ツールの標準化を推進していることもある。「コーディング支援から、この1年でCOBOLなどをJavaやPythonなどに変換するアプリのモダナイゼーションにも使われ始めている」。

 同社はGitHubによるソフト開発に携わる人口を今の10倍の10億人にする目論見もある。その推進役の1つが自然言語でアプリを作れるGitHub Sparkの投入になる。山銅氏によると、いわばアプリのモックアップを作り、自分のアイデアを具現化したり、カスタマイズしコーディングに変換したりするもの。例えば、非開発者が求めるアプリのイメージを伝えることにも使える。この10月末に公表したが、正式なリリース時期は未定。もう1つは、グーグルなど他社の言語モデルも使えるマルチモデルのGitHub Copilotにすること。計算処理速度が速いなど各社の言語モデルにはそれぞれ特質があり、求める成果にあった言語モデルを選択できる。こちらのリリース時期も未定だという。

 日本での普及に取り組む山銅氏は「開発チームにAI活用を定着させること」などに力を入れている。そのために、開発者らのスキルやレベルの向上を支援したり、部門間で知識を共有し、ベストプラクティブな活用できる仕組みを構築したりする。「使いたおす提案」ということ。そのためには、経営者らにソフト開発がビジネス変革に重要な意味を持つことを、経営者と開発者の間に入ったトランスレータの役割も担う。新しい開発手法に拒む開発者らもいるので、AIの良さなど使い方を業界ごとに用意、提供もする。リスキリングもする。ツールの良し悪しというより、AI活用によるソフト開発のメリットを伝えるということだろう。

 ソフト開発経験が豊富な開発者は、AIに反復作業を任せられるので、開発速度を上げられる。AI活用に不慣れな非開発者らには、「AIを使うことで、プロジェクトにオンボードできるようにする」(山銅氏)。A社のプロジェクトは、こんな文化で、こんな言語モデルで、こんなものを作っている、といったことを参画するプロジェクトから学び、貢献できる時間を短くするということ。両者の真ん中にいる人たちは、新しい言語モデルを学習支援する効果もあるという。(田中克己)

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