「2032年度に売り上げ1兆円を目標にしたグループビジョン2032を作成した」。大手SI、TISの岡本安史社長が5月8日の23年度決算説明会で語った。グループビジョン2026をアップデータしたグループビジョン2032の実現に向けたファーストステップの3カ年中期計画(24年度から26年度)も公表する。
23年度の売上高は前期比8.0%増の5940億400万円、営業利益は同3.6%増の645億6800万円だった。IT投資の長期的な拡大傾向が続いているものの、約40億円の不採算案件が第4四半期に発生したことで、利益が伸び悩んだ。ちなみに不採算案件はサービス業のスクラッチ開発で、品質不良を起こしたという。
中計の最終年度(26年度)は、売上高6200 億円、営業利益810億円にする計画。1人あたり営業利益も23年度に比べて約20%増の350万円に引き上げる。その具体策は、コンサルタント700人体制など先鋭人材の拡充による提供価値の向上、人の稼働によらない売り上げ、主にオファリングサービスの拡大などになる。営業益率も23年度の11.8%から26年度に13.1%と1.3ポイント改善する。その核になるのがキャッシュレスなどのオファリングサービスになる。自前で新たなサービスを開発する一方、ユーザー企業らとの共同開発にも取り組む。その一環から3年間で1000億円の成長投資を用意する。うち約700億円のM&Aにあてる。その額は前中計の2.3倍の規模になる。従業員も1000人程度の微増の2万3000人超になるとみられる。(田中克己)