米デルテクノロジーズが18年夏、世界42カ国、4600人(日本は約100人)の役員らにDX(デジタルトランスフォーメーション)の進捗状況を調査した。その中で、日本企業で、DXをリードするのはわずか2%にとどまっていることが分かった。計画がないデジタル後進企業が39%、デジタルへの投資をほとんど行っていない企業が33%もあり、7割超がデジタル化に全く対応できていない状況にある。
世界の多くのリーダーたちがDXへの戦略を立案し、新しい市場を創出ための投資を始めているのに、日本企業はデジタルへの危機感がないからだという。言い訳もする。IT予算などリソース不足、組織内のスキルやノウハウ不足などを挙げる。表面上はAIやIoTなど先進技術の活用に取り組んでいるフリをしているだけで、これらに必要な人材を育成・確保する計画を持つ企業は少ない。なお、グローバルの結果は19年1月に発表する予定。
「デジタル・ディスラプションの大きなインパクトがあるとする日本企業は3割超」。こんな調査結果を発表したのが10月17日に開催された野村総合研究所のシンポジウムで講演した米IMD教授のマイケル・ウェイド氏だ。しかも、取締役会レベルの事案とする回答は34.5%である。世界の企業は、インパクト5割弱、取締役レベル事案64%と大きな違いがある。デジタル施策の計画がない日本企業が多いということだろう。脅威として認識もしていないのは、ビジネスの迅速性に問題があるからだという。(田中克己)
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2018.11.06