「3分の2の企業が生成AIに投資している」。アクセンチュアがこのほど実施した経営幹部へのアンケート調査による。「AI投資を最優先事項」との回答はグローバルで75%、日本で77%に、「生成AIが自社や業界に変革をもたらす」との回答はグローバルで97%、日本で96%と、それぞれ高かった。
同社執行役員でビジネス コンサルティング本部AIグループ日本統括 AIセンター長の保科学世氏は「人を支えるパートナー」と、生成AIを位置づけている。予定を確認したり、調べてレポートを作成したりもする。会議の議事録を作成し、意見を述べるなど、人を超えるアイデアを出すこともある。会議で、誰がどんな発言をしたのか要約し、内容を理解し、提案もする。
保科氏は、企業活動をデジタル上で再現するデジタルツインの導入も提案する。生成AIが経営者と業務データの対話を可能にし、課題を見つけ、解決策をシミュレーションする。コンサルタントの代わりというわけだ。「月並みのアドバイスしかできないコンサルタントは生成AIに置き換わる」と、淘汰されるという。なので、数字やデータから深堀し、検討し、答えを出すなど、コンサルタントには洞察力や共感力など、より深いところがわれる。
株主との対話にも生成AIが使われる、など利用は急拡大するだろう。しかも、ITリテラシーの弱い人にも使いこなせるようになる。ITスキルの差がなくなり、Aさんのことを良く知っている生成AIがAさんにアドバイスする。そんな時代になるという。(田中克己)