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2023.08.31

ブロックチェーンのスタートアップ、ベルギーのセトルミントが日本市場開拓開始

 ブロックチェーン開発プラットフォームを展開するベルギーのSettleMint (セトルミント)が日本市場の開拓に本格的に取り組み始めた。日本法人代表の森田大樹氏は「Web3とWeb2をつなぐエンタープライズ向け開発環境」と、開発プラットフォームの特徴を説明し、金融機関のセキュリティ・トークン・オファリングやデジタル証券、デジタル通貨、製造業のSCMにおけるデータ改ざん防止による品質保証などの需要を期待する。

 同社は2016年に設立したエンタープライズ向けブロックチェーン技術開発に取り組むスタートアップ。欧州から中東へと市場を広げており、これまでに約60社、100超のユースケースを作り上げたという。日本への進出は、ベルギー本社と資本出資を含めた協業関係にある富士通などによるもので、22年末に100%出資の日本法人を設立し、今年3月からデジタルバンキングなどを手がけてきた森田氏と欧州のブロックチェーン技術者ら3人で営業活動を開始したところ。富士通Uvanceチームとビジネスを立ち上げるとともに、ユーザーのPoC(実証実験)なども請け負う。

 ブロックチェーン技術は、非改ざんやスケーラビリティ、セキュリティなどの特徴から仮想通貨やデジタルアートの売買などに活用するNFT(非代替性トークン)などへの利用が進むものの、エンタープライズ用途への広がりは見られなかったという。森田氏によると、ブロックチェーン技術者の不足が大きな障壁だという。アーキテクチャを書ける技術者がいなければ、ビジネスを立ち上げらないことになる。エンタープライズ向けにブロックチェーンを使う場合、ERPなどと連携させたり、データを変換させたりすることに、時間もコストもかかってしまうこともある。

 そこに、同社のブロックチェーン開発プラットフォームを活用する価値があるという。専門知識がなくても、ローコード開発を使ったシステム開発を短期にできるというもの。森田氏によると、米国などに技術者向けにNFTなどの開発プラットフォームはあるが、エンタープライズ向けは少ないという。展示会の出展などマーケティング活動を展開しながら、日本法人の従業員を年末には5人にし、PoCなどの需要にも応えていく。(田中克己)

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