東京都が中心になってスタートアップとの協業によるイノベーションを生み出すためのイベントCity-Tech.Tokyoが2月27日、28日、東京国際フォーラムで開催された。起業家や投資家、そして協業したい企業の新規事業担当者らが集まって、スタートアップとのエコシステム作りなどを議論もした。
展示会には日本のほか、フランスやインド、シンガポール、韓国、コロンビアなど約300社のスタートアップが出展した。宮崎県のAGRISTはピーマンを収穫するロボットを開発。ハウス内の栽培状況を判断し、収穫するもの。福岡県のF.MEDはマイクロサージャリー(微小血管吻合)支援用ロボットシステムを開発。直径1mm程度の血管などを手作業で縫ってつなぐ手術技術。東工大発ベンチャーのaiwellは自宅でできる微量採血キットを開発。採血から、がんなどの病気を早期発見するものだという。
都市インフラや気候変動などの課題と解決策を見つけ出すパネル議論も展開された。例えば、アフリカでは、通信や電気のインフラは整備されているが、水インフラが整っていないなど、水の危機は全世界に広がっているという。そこで、これまでの集中型から分散型インフラを提案するのがWOTAの前田瑶介CEOだ。水道のない場所での水利用を実現する携帯型の水再生プラントや水循環型手洗いスタンドを開発する。
そんなクライムテックへの投資が急増する。スタートアップへの投資が減っている中で、気候変動への投資は22年に前年比90%弱増の約700億ドルにのぼり、10年前の40倍の規模になったという。(田中克己)