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NEWS&TOPICS

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2022.06.21

IBMのAI倫理調査、ビジネスリーダーが推進役に

 日本IBMが6月8日、世界22カ国の経営者1200人に聞いたAI倫理に関する調査結果を発表した。山田敦執行役員兼技術理事・AIセンター長は「AIが人の能力を超すことが実証されるなど、社会インフラ化する一方で、AI倫理が大きな課題になってきた」と、調査の目的を説明する。

 同調査から分かったのは、AI倫理が実践段階に入ったこと。AIは戦略的に重要になるとの認識がどんどん高まっており、各国が規制やガイドライン作りを進める。男女や人種などによる差別化が社会問題化もしており、AIの活用を一歩間違えれば、排除されたり、淘汰されたりする可能性もある。取引や購入などの選択基準の1つにもなっている。

 そうした中で、AI倫理を重要視する経営者も18年調査の42%から今回は73%に増える。だが、意欲と行動に大きなギャップがある。たとえば、説明責任について、賛同するとの回答は59%もあるのに、実践しているのはわずか14%にすぎない。透明性や公平性などの項目でも、賛同が50%~60%に対して、実践は10%~20%程度とひらきがある。理由の1つは、ダイバーシティの低さにあるという。例えば、社員に占める女性の比率が33%なのに、AIチームのメンバーは6%しかいない。もちろん、良い面もある。AI推進の旗振り役が技術系リーダーからビジネスリーダーになってきたこと。21年に、その比率が80%にもなる。

 東京基礎研究所でAI担当シニアマネージャーを務める立花隆輝氏は、AIを安心して使うためには、「人とAIの共同作業にすること」や「人と同じ価値観を実装すること」などを説く。そうしないと、人が持つバイアスやヘイトを再現したり、古い価値観まで取り込んでしまったりすることにもなるという。(田中克己) 

https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/report/ai-ethics-in-action

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