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2021.05.12

働く意義を感じない従業員が増える危機

 勤怠管理や経費精算などのSaaSを提供するチームスピリットが新型コロナ禍の働き方に関する意識調査を発表した。多くの従業員が職務内容を意識せず、生活のために働くという受け身になっていることが分かったという。ストレスなど心理的安全性に問題を抱えている人が多いこともみえてきたという。

 調査結果によると、職務内容を理解するといったジョブディスクリプションを意識していない従業員が7割超にもなる。「3年後の稼ぐ力」も「現状維持・低下」との回答が4人に3人にもなる。半面、ジョブディスクリプションを意識する人の55%弱が「3年後の自身の稼ぐ力」を高まっていると回答する。3年後のキャリアアップのイメージを持って働いているということだろう。

 回答の約半分を占める大企業(1000人以上)の従業員は、中小企業(1000人未満の従業員より、「コミュニケーション頻度減」や「業務の無駄を省く意識が高い」といった傾向もみられた。逆に言えば、大企業ほど無駄な業務プロセスが多くあるということかもしれない。また、テレワークになり、社内外とのコミュニケーション不足から、組織としての連帯感の薄れを心配する従業員も増えている。

 そうした働く環境の改善には、同社は個人とチームの潜在力を引き出すことが寛容だとする。別の言い方をすれば、ストレスなく、チームの結束力を高めること。そのためにも、優先順位の低い業務を見直し、従業員1人1人に役割と目指すことを明確に示す必要がある。期待することをはっきり伝えるということ。働く意義を感じない従業員の増加は、日本経済の成長をさらにマイナスにする。(田中克己)

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