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2021.01.21

経産省が日本企業のDX化遅れを嘆く

 「DX(デジタル変革)に取り組んでいる日本企業は5%程度にとどまる」。経済産業省が2020年12月28日に公表したDXレポート2によるもの。「レガシーシステムを刷新せずに、ビジネス変革を怠れば、2025年以降に年15兆円の経済損失になる」と、日本企業にDX推進を説いたDXレポートの発表から2年以上経過したのに、DXはまったく進展しないことに経産省は苛立つ。背景にあるのは、経営者が内部留保に走り、新しいことへの投資を怠ったこと。結果、この30年間、日本のGDPが500兆円超に低迷し続ける。欧米や中国は50%から10倍近くもの成長を遂げたとの差は、デジタル活用にもある。

 なぜ、日本企業のDX化が一向に進まないのか。最大の問題は、経営者がしっかりとした経営方針や経営ビジョンを策定できないことにある。変革するつもりはないとしても、新たな価値を創り出すデジタルディスラプターは、市場を破壊し、変革できない企業の存在価値をなくすだろう。もちろん危機感のある経営者はいるが、「何をすれば、いいのか分からない」と、誰かが決めてくれなければ、前に進めないのだ。諦めるしかないのか。

 そこで、経産省は改めてDX推進を訴えるDXレポート2を発行し、利益の源泉は」デジタル空間にあることを説き、経営者に「価値創造の源泉の変化に気づくこと」、「現状に危機感を持つこと」、「行動に移すこと」、「対話の重要性を認識すること」、「社外とも積極的に連携すること」の5つを提言した。

 実は、DX化が進まない理由は、IT企業にもある。ユーザーに守りのIT投資をさせてきたことだ。そこで、DXレポート2はIT企業に対して、ユーザー企業と一体になってDXを推進する協奏パートナーになることを求めている。具体的には、DXに必要な技術やノウハウや、協調領域を担う共通プラットフォーム、デジタル技術を駆使したサービス、などを提供すること。IT投資を、ユーザーのビジネス変革に振り向けるということでもある。(田中克己)

以下に経産省のDXレポート2の詳細がある。

https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004.html

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