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NEWS&TOPICS

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2020.12.16

年平均2.6%で増加する国内IT支出

 ガートナー ジャパンはこのほど、国内の業種別IT支出動向を発表した。それによると、IT支出は消費税増税対応やOSのサポート終了への対応により高い成長率を示した19年からの反動に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響により、20年は前年比で2.6%減少する見通しだという。21年は成長に転じ、19年から24年までの5年間の年平均成長率は2.6%と予測する。

 新型コロナはITプロジェクトに深刻なダメージを与えている。とくに深刻な影響を受けるのは、卸売、製造・天然資源、運輸などだという。一方、教育は年率平均4.1%という高い成長を予測する。文部科学省によるGIGAスクール構想の前倒しやオンライン学習など教育関連の需要拡大による。ただし、IT製品の供給遅れや現場のスキル不足といった課題も見受けられるという。このほか銀行・証券が3.7%、通信・放送・サービスが3.4%、政府官公庁・地方自治体が3.3%との高成長を予測する。

同社アナリストの成澤理香氏は「新型コロナの感染拡大により、IT支出は業種によって、明暗が分かれた」と分析し、IT予算の大きな要因にコストの最適化とビジネスの継続性を挙げる。具体的には、クラウド活用によるコスト最適化が加速する一方、人事や承認プロセスなどの制度変更を踏まえたシステム再構築や、サプライチェーンの見直し、対面ビジネス・サービスのオンライン型への移行、ロボットやリモート監視といった非接触型システムの採用が進むと読む。(田中克己)

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