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2020.08.06

IoT導入の障壁はセキュリティに

 毎年シリコンバレーで開催するIoTカンファレンス・展示会IoT Worldが7月21日、Omdia(旧Ovum)と170人のIoT業界リーダーを対象としたIoT導入に関する課題などを調査した結果を発表した。IoT導入の大きな障壁は「セキュリティ上の懸念」とする回答が85%もあった。とくに64%が「エンドツーエンドのIoTセキュリティ」を短期的な最優先事項に挙げる。次いで「エッジコンピューティング」(55%)、「AI/機械学習」(50%)、「5G導入」(28%)とする。新型コロナウイルスの感染拡大がIoT導入に影響もする。

 そこで、多くの企業ユーザーがIoTプロバイダのセキュリティ対策商品として、「エンドツーエンドのデータ暗号化」(60%)、「ファームウエアとソフトの定期的な更新ポリシー」(54%)、「デバイスの物理的なセキュリティのチェック」(44%)の3つを導入する。IoT業界のリーダーが中長期的に重視するのは、「5Gが業界を変革する」(81%)こと。その5G導入のメリットは、「膨大な数のIoTデバイスを管理できること」(67%)、「超低遅延を実現できること」(60%)になる。

 IoTの購入決定に最も大きな影響力を持つのは、上層部(45%)だという。IoTが単なるITの調達ではなく、重要な戦略的な役割を果たすことを意味する。その中で、「5GとAI対応のIoTソリューション」が、2025年までに「自動車と輸送」(66%)、「エネルギーと公益事業」(47%)、「製造業」(44%)に大きな影響を与えると予想する。加えて、回答者の3分の2近く(64%)が、今後5年以内にすべてのIoTソリューションにAIが組み込まれると考える。また、回答者の3分の2(66%)が、今後5年間で持続可能性がIoTイノベーションのトップ3ドライバーになると答える。

 一方、IoTプロバイダの半数(49%)がユーザー企業のIoTスキル不足を、最大の課題と捉えている。ユーザー企業の59%も、社内のIoT専門知識の不足を主な課題として認識する。回答者の半数が今、IoT市場を前進させるために必要な最も重要な後押しは、より現実的な展開とビジネスケースの例を増やすことだとする。(田中克己)

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