バーコードプリンタなど自動認識システムを手がける米ゼブラ・テクノロジーズが消費者と小売店の従業員・幹部の意識や傾向を分析した「小売業界のテクノロジー改革に関するグローバル調査」結果を発表した。今回で12回目になり、6300人超から回答を得て、小売店が在庫管理の課題に直面していることが浮き彫りとなったという。 たとえば、店舗における品切れがeコマースへの流出の原因となっていること。一方、店員の43%が品切れに対する買い物客からのクレームを最大のストレスと感じている。
セルフレジに対する注目度も上昇している。直近の半年間にセルフレジを利用した客は40%で、86%がそれに満足と回答する一方で、店員の54%がセルフレジ導入で精算プロセスが自動化し、有人レジの必要性が低下したと回答する。店員がより多くの時間を接客に充てることが可能になるということ。
同社によると、消費者を実店舗に呼び戻すうえで、より良い顧客体験の提供が欠かせないという。ところが、小売業界幹部と消費者の期待値には大きな隔たりがある。消費者はオンラインと同じ体験を期待しているのに対して、小売店幹部は消費者は今の店舗に満足していると考えている。返品交換に関しても認識の差が大きく、オンラインが実店舗の返品率を大きく上回る。日本法人の古川正知社長は「消費者は返品プロセスに不満を持っている」と指摘し、改善の必要性を説く。
実店舗における体験向上の1つにロボットの活用がある。店舗で直近の半年間でロボットと触れた消費者はわずか7%だった。消費者の7割以上がロボットに好意的だが、店員の32%がロボットに仕事を奪われることを懸念している。(田中克己)