3次元(3D)プリンターを活用する企業が増えている。PwCコンサルティングstrategy&によると、補修部品の活用する割合は5年後に「1~10%」が6割、「10~25%」が15%になり、一定の規模を占めるようになると予測する。サプライチェーン全体でのコスト削減もできる。部品そのものの製造コストだけではなく、物流・輸送、倉庫保管などのコスト削減にもなるということ。3Dプリンターなどの製造設備があれば、どこでも生産可能になるので、より顧客企業に近いところで生産可能になる。金型が不要になり、そのメンテナンスや保管の心配もいらなくなる。
市場の伸び率は年平均10数%になる。プラスチックなど非金属の11%に対して、金属3Dプリンターは20%成長にもなる。合計で2028年には300億ドルを超える。ところが、日本企業の導入が一向に進まない。航空機用エンジン部品など高信頼性、高品質を要求されるものにまだ使われている事実を知らないからだ。複数部品を一体化し造れることも理解されていない。高速印刷や機能の充実化も知らない。機械加工など従来方法に依存したままでは、日本企業のモノ作りは弱体する。同社はそう警告したのだろう。だが、逆に弱体化を招くおそれもある。(田中克己)