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2019.09.10

ガートナーのRPA市場動向

 「RPA(ロボティックス・プロセス・オートナション)は、ソフト市場で最速の成長を遂げている」。米調査会社ガートナーのデレク・マイヤー氏は8月30日、同社主催セミナーで18年に63%成長したRPA市場のトレンドをこう語った。

 マイヤー氏は「ERPやCRMなどたくさんのアプリケーションが複雑なジグソーパズルのようになっている。事業の買収で新しいピースが入り、複雑性がより増している」とし、RPAの存在理由を説明する。とくにエンドユーザーは巨額なIT投資をしているのに、データの活用などに時間がかかることに不満を募らす。そこに登場したのがRPAで、「データの民主化や効率化をできるらしい、と期待された」ということ。

 とはいっても、「RPAはマーケティング用語だ。そもそもロボットは存在しない」。あるシステムのデータを、別のシステムに入力するなど、定型業務を自動化するもの。だが、理解不足の経営層が少なくない。マイヤー氏はある企業のエグゼクティブ・バイスプレジデント(EVP)の発言を紹介する。「RPAを導入しても陣容に変わりがない。むしろ人件費が上がっている」と、同EVPはバックオフィスに携わる社員が約150人のままなことを不満にする。実は、仕事の量が70%増えて、内容も高度化している。定型業務の自動化で、新しいことに取り組めている。EVPはそれらを理解していないという。

 マイヤー氏は「RPAはダウンサイジングするのが目的ではない。改革の旅路に乗り出すもの」と説いていた。(田中克己)

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