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2026.03.12

【MWC26】デル、ビル屋上や電柱に設置可能な軽量の水冷式サーバーを発表

 米デル・テクノロジーズのテレコムビジネス特化部隊は3つのテーマにそった関連商品やサービスを展示した。1つめは、クラウドからエッジまで、特定のベンダーに依存せず、サイロ化をなくし、多様な環境に柔軟に適用できるオープンな環境で構築できるようにすること。2つめは、AI、とくに生成AIの本格活用に対応すること。例えば、AIワークロードの稼働や通信オペレーションの自動化など、通信事業者がサービスを提供する基盤としてのAI活用の支援になる。3つめは、オープンエコシステムの拡大。ISV(独立系ソフトウェアベンダー)や通信事業者と連携し、米オースティンにある自社ラボでの検証を通じて対応ソリューションを拡充することだ。

 最大の目玉は、風雨から保護されていない過酷な電柱、ビル屋上の外壁など野外環境に設置可能なx86エッジ用サーバー「Dell PowerEdge XR9700」の発表になる。エッジ環境での電力と設置スペースの課題を解決するため、省スペースかつ完全密閉型の水冷式を採用する。通信事業者のクラウドRAN基盤のほか、工場、防衛、マイニングなど、データが爆発的に発生する現場(エッジ側)でのAIワークロードの実行などに活用する。

 日本法人の藤森綾子常務執行役員は「サーバー事業は好調だ。メモリー価格の高騰などが続く中、エンドツーエンド(PCからサーバーまで)で提供するスケールメリットと購買力を活かし、サプライチェーン面での優位性を発揮している」と述べた。加えて、「通信事業者による5G投資が一段落する一方で、各社の投資先がAI関連へ大きくシフトし、関連ビジネスが順調に推移している」と、市場変化を読む。

 「Dell PowerEdge XR9700」は、電柱、屋上、建物の外壁への設置を想定し、耐候性に優れ、密閉構造を持つ超コンパクトなきょう体で提供する。直射日光など過酷な環境に耐えるように設計し、極端な温度変化やほこり、湿気にさらされる環境下でも、信頼性とパフォーマンスを維持できるという。藤森氏は「エンジニアが1人で電柱やビル屋上など設置場所に担いでもっていけるよう軽量化した」と、スペースの制約がある場所にも設置可能になったと説明する。

 デルのもう1つの強みがオープンテレコムシステムラボにある。通信ネットワークやAIエージェント、ISVの各種アプリケーションがスムーズに連携して動作するかをテストし、事前検証を行うための環境施設だ。通信事業者自身がゼロから1つ1つ検証する手間とコストを省き、あらかじめ動作保証されたパッケージ(ビルディングブロック)として提供する。ラボの拠点である米本社(オースティン)に2023年頃に約100ラックでスタートし、現在は約200ラックの規模になる。東京オフィスにも小規模なラボを設置し、オースティンのメインラボとネットワークで直結し、検証作業を可能にする。(田中克己)

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