「サステナビリティの取り組みは不十分」。日本オラクルが4月22日に発表した世界15カ国の1万1000人に聞いたサステナビリティの意識調査から分かったこと。グローバルも日本も、「サステナビリティは重要」とする回答が9割前後に達するものの、「取り組みが十分ではない」とする回答がグローバルも日本も9割以上にもなる。
問題の1つは、ビジネスリーダーらにある。地球温暖化、世界各地の紛争などがどんな影響を及ぶのかなどの情報を収集、分析、対策が実行できないこと。できたとしても、効果や進捗状況を把握できない。そもそも、どんなデータを収集するのか分からないし、データに基づいた意思決定する能力が不足している。
一方、そんな対策が不十分な企業に対して、「真剣なアクションを起こそうとしない企業を見放す」とする従業員が、日本が53%、グローバルが70%もある。さらに、「サステナビリティの取り組みを重視する企業に転職」とする従業員らが、日本に66%、グローバルに69%にもなる。日本オラクルは「サステナビリティへの投資を増やすべき」と提案する。こうした課題解決にテクノロジーを活用するためだ。ビジネスルールもどんどん変化しており、それへの対応も欠かせないが、今回の調査結果は日本の経営者の意識に低さに驚いた。再生可エネルギーの利用などオラクル自身の取り組みを、ユーザーに紹介するというが、同社の従業員は「持続可能な十分な取り組み」と思っているのか、一度尋ねてみたい。(田中克己)