ガートナージャパンの池田武史バイスプレジデントは4月23日、同社主催シンポジウムの講演で、デジタルツインと5Gなどによって、IoT活用に取り組む企業が今の10~20%から3年後に倍になると予測した。
デジタルツインとは、物理世界の出来事をデジタル上に再現すること。武田氏はトレラーを例に説明する。どこを走っているのか、安全になのかなどを管理し、それぞれのデータを収集する。こうしたデータを前もって持つことで、なぜ事故が起きたかが分かる。将来、こんなことが起きるかも予測できる。そんな高度な活用が期待されるという。
第五世代通信規格5Gは、「通信が速くなるということではなく、IoTなどのデバイスやシステムをスマート化することにある」と池田氏は語り、とくにカメラやドローンなどの高画像の活用に期待されているという。加えて、データや音声の遅延がなくなれば、ロボット手術など遠隔医療の実現にも貢献する。1平方㎞あたり100万個のデバイスからのデータ収集も可能になる。ただし、「IoT活用の可能性が大きすぎて消化不良になっている」(池田氏)。
そこで、武田氏はスマート化の取り組みを提案する。自動車や建設現場、さらに公共でも、賢いサービスやビジネスを目指すスマート化に挑戦している。問題は何をスマート化するかだ。「スコープを小さくすることも必要」と説く。たとえば、創造的な破壊を起こす取り組みなら、誰が喜ぶのかを明確にする。そこからスマート化を考える。(田中克己)