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2023.10.17

AIスタートアップのABEJA、23年8月期に40%成長遂げる

 AIプラットフォーム・ビジネスを展開するABEJAが10月12日、23年8月期の業績を発表した。売上高は前期比40.3%増の27億7500万円、営業利益は4億200万円と黒字に転換した。岡田陽介代表取締役CEOは「企業向けDX推進支援が成長を牽引し 、高い成長率を維持した」とし、1社あたりの取引金額が上昇傾向にあるという。

 成長率の内訳は、AIプラットフォームを活用したビジネス変革などのトランスフォーメーション領域が36.4%増、AIプラットフォームの提供などオペレーション領域が60.8%増となり、売上高構成比はトランスフォーメーション領域が81.7%、オペレーション領域が18.3%となる。とくに第4四半期が案件の進捗などにより、オペレーション領域が前期比97.8%増と大きく積上がる。

 年間取引額5000万円以上のユーザー数は62%増と順調に拡大する。取引額5000万円未満のユーザーも大きく育っていく一方、新規の顧客獲得を進めている。その一環から、PwCコンサルティングと生成AIを活用したDX支援で協業する。8月に発表したもので、「PwCのクライアントに共同提案する」(岡田氏)。今年10月には中部電力と業務提携し、中部エリアを中心とした自治体・地域のDXを支援に乗り出す。また、三重県多気郡明和町と連携協定を結び、生成AIを活用したデジタル社会の形成を推進する。人材採用も順調で、従業員は第2四半期末の86人から第4四半期末には103人になる。前期末に比べては21人増える。

 24年8月期の業績予想は、売上高が前期比25%増の34億7000万円、営業利益は同11.7%増の4億5000万円を見込む。岡田氏によると、第1四半期の売上高が前年同期比5~10%増の微増にとどまりそうだが、第2四半期以降に伸びる見通しだという。デジタル版EMSに位置付ける同社AIプラットフォームを拡充したり、大規模言語モデルの活用した新規市場を開拓したりする。たとえば、マーケティング・オートメーションへの適用によって、顧客1万人に異なる文面のメールを作成し、送る。生成AIの学習コストや推論コストが人依存になると、大きくなるので、そうならないビジネスモデルを確立させるということだろう。(田中克己)

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