アクセンチュアが7月5日、メタバースに関する調査結果を公表した。世界の消費者2万人超と企業の幹部らに聞いたもので、世界の経営幹部がデジタルプラットフォームによる統合的な体験の実現とWeb3の可能性に期待を寄せていることが分かった。9割超が「今後10年でWeb3が普及すれば、企業のオンラインユーザーとの関わり方は根本的に変わる」とも予想する。
同調査によると、仮想世界と物理世界に一貫性を担保することは、経営幹部の共通課題になっている。71%の経営幹部が「メタバースは自社にポジティブなインパクトをもたらす」と回答する一方で、消費者の6割超が「自信をもって、ディープフェイク画像や合成コンテンツを認識あるいは特定できない」とする。アンリアルなものを見極めるのは、極めて難しくなっていくということだろうか。
同調査は、同社のテクノロジートレンド調査レポート「Accenture Technology Vision 2022」の中にまとめられている。インテリジェントソフトウェア エンジニアリングサービス グループ共同日本統括マネジング・ディレクターの山根圭輔氏は「デジタル・アセットが価値を持つようになる」とし、メタバースは個人の能力を拡張するものだと位置づける。非中央集権化、つまり私が中心になり、個人が自由に使えるデジタルツイン、そして個人がデジタル・アセットを生成、評価できるようになる。さらに「責任あるメタバースにすること」。メタバースの活用には、プライバシーとデータの所有権を担保することも強く求められる。(田中克己)