CRMプラットフォームを提供するHubSpot日本法人がこのほど発表した日本の営業組織を対象に第2回目となる意識・実態調査によると、法人営業担当者は「働く時間の20.2%が無駄な時間」と回答した。無駄な時間とは、会議や報告業務など社内の情報共有で、金額換算すると、年間で約6650億円に相当にするという。
営業担当者のリモート営業へのシフトが進んでいることも分かった。新型コロナ下に、リモート営業を求める顧客が前回の19年12調査の21%から38.5%に増えたことが背景にある。逆に、訪問営業を好む顧客は53.7%から35.0%に減り、リモート営業と逆転する。ところが、営業担当者は、リモート営業(21.8%)より訪問営業(48%)を好んでいる。顧客はリモート営業にマイナスのイメージを持っていないのに、売り手側はコミュニケーションツール活用の不安や成約率の低下、誠意をみせられない、などコミュニケーションを理由に訪問営業を選択する傾向があるという。
買い手と売り手にギャップはある中で、営業担当者がリモート営業を実施すると、「自分の業種でも意外にリモート営業が可能だった」(63.3%)という前向きな意見を述べているという。ただし、テレワークの不安がある。「社内コミュニケーションに時間がかかる」(45.0%)、「業務管理ができない・しにくい」(38.9%)、「孤独感を感じる」(17.6%)などだ。「営業担当者が⾃席でオンライン営業を⾏っていた際、隣席の⼈間が⼤声で冗談を⾔ったために相⼿にも聞こえてしまった」、「投影画⾯に、デスクトップが映り、他企業名の⼊ったフォルダをクライアントにみせてしまった」など、リモート営業の失敗も数多く経験する。こうした問題を解決するには、情報共有プラットフォーム作りが必要ということだろう。(田中克己)