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IT最新事情

2020.03.05

IPAのAI白書2020から見えた企業のAI活用実態

 情報処理推進機構(IPA)がこのほど発行した「AI白書2020」によると、AIを実導入している日本企業は4.2%にすぎないことが分かった。課題は2つある。

 1つは、経営者や社員にAIを活用する力が不足していること。AI技術者の確保ではない。IPAの遠山真氏は例え話をする。社長がAIを入れてみようとなると、現場が困り、ITベンダーに相談し、実証実験(PoC)をする。だが、人材がいない、資金がないなどの理由から、前には進まない。「まずは現場が課題を把握し、AIを使えるようにすること」。AI活用のトレーニングを受ける必要があるということだ。

 もう1つは、AIソリューションを開発するスタートアップが育っていないこと。ベンチャー投資も米国の50分の1しかなく、育成する環境がない。起業意欲も低い。チャンスは地方になる。地域の大学や企業との連携によって、社会課題を解決するソリューションを創り出すこと。たとえば、高齢者の買い物を自動運転車で支援する仕組みとかだ。大都市を中心とする施策で、成功した事例はない。東京ですら、スタートアップ育成の世界ランキングに入れない対象外になっている有様だ。(田中克己)

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