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2025.10.13

AI活用の現状と課題、米PagerDuty調べ

 インシデント管理プラットフォームの米PagerDutyがこのほど、企業幹部のAIエージェントへの信頼と、事業運営全般におけるAI依存の実態を調査した結果を発表した。豪州、フランス、ドイツ、日本、英国、米国のITやビジネス部門幹部1500人を対象に実施し、回答者の74%が「AIなしでは業務に支障が出る」と、AI活用に積極的なことが分かった。

 特にソフト開発の分野での導入が進んでおり、回答者の84%がコードの記述・レビュー・提案にAIを活用する。AI生成コードをテストしている企業は85%にもなるが、正式なプロセスに基づいて一貫してテストに活用するのは39%だ。国別にみると、正式なテストの実施率は、米国の59%が最も高く、日本が19%と最も低かった。しかも、日本の25%が「場当たり的」または「問題発生時のみテストを実施」と回答しており、同社は「体系的な品質管理体制が整っていないことが明らか」と指摘する。

 同調査は、81%が「サービス停止やセキュリティ事案の危機発生時にAIエージェントが企業に代わって対応を行うことに信頼を寄せていることもかった。日本企業のその回答は64%と他国より低い。75%が複数のAIエージェントの導入し、そのうち25%が5つ以上を運用している。ただし、AIエージェントを導入している企業の7割が「AI運用の複雑性が管理可能な人員数を超える」と、心配な状況にあることも分かった。

 AIへの信頼が高まっている主な理由に、「出力の精度向上」(49%)、「良好な結果に伴う利用頻度の増加」(48%)、「AIに対する理解の深化」(47%)、「監視体制の強化」(45%)などを挙げる。日本は、企業の「AI利用ガイドラインの導入率」が32%など、回答全般にわたり低く、制度整備や信頼基盤づくりが遅れているという。

 課題は、「AIツールのエラーや障害を検知できる仕組みが不十分」(85%)なこと。84%の企業が少なくとも、一度はAI関連の障害を経験し、57%が障害時に対応するプロトコルをすでに整備している。(田中克己)

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