米デル・テクノロジーズの日本法人が9月22日、データ保護に関するグローバル調査レポートを発表した。多くの企業がランサムウエアなどのサイバー攻撃からの防御やデータの復旧時間を不安視していることが分かった。
同社によると、企業内にあるデータ量(21年)は年率11%で成長し、16年の663%にまで増加している。その一方、リモートワークの普及などから在宅勤務者への攻撃によるデータ損失の危険性が高まっている。しかも、データの場所は圧倒的にクラウドになっている。ところがデータ保護が複雑化し、不安視する声が高まっている。世界の30%の回答者が過去1年間にデータ損失を経験し、世界の45%、日本の40%が計画外のシステム・ダウンタイムを経験する。原因は、以前のようなハード障害が大きく減り、ソフトエラー、外部からのセキュリティ侵害、クラウドプロバイダのエラーが増えている。
ダウンタイム時間は11時間(日本)で、とくに重要なアプリの復旧には平均10時間もかかっている。つまり、復旧は翌日になるということ。また、過去1年以内にデータ損失やダウンタイムを経験したのは78%(日本)にもなる。18年よりも12ポイントも増えている。
同社でDPS事業本部長を務める芳澤邦彦氏は「守るのが複雑化している」とし、重要なワークロードを見極めて、全データではなく、重要アプリデータを保護することを薦める。(田中克己)