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2023.03.31

ITビジネス研究会による初のデザイン思考研修会

 一般社団法人ITビジネス研究会は3月24日、デザイン思考研修会を実施した。会員企業から9人が参加し、3グループに分かれて、朝10時から夕方17時30分まで講義と実践を通じてデザイン思考を学んだ。会員企業でもあるリンクレアと同社子会社で教育・研修などを手掛けるリンプレスの協力を得て、「右脳型のデザイン思考を学び、顧客とイノベーションを創造できるITエンジニアにする」ための研修を行った。

 背景には、日本経済がこの30年、成長を遂げられなかった根底に、ITとデジタル活用の低さにある。そんなユーザー企業の求めに対して、IT企業は言われたものだけを作り続けるビジネスを展開してきた。「無駄」や「意味のないこと」と知っていても、開発費用が増えると請け負ってもきた。「こうしたら効果が上がる」と分かっていても、提案もしなかった。その一方で、クラウドや主要なソフトを開発せずに、輸入に依存した結果、デジタルサービスの貿易は4兆円以上の赤字になる。IT産業の責任は重い。

 そのためにも、請負型の伝統的な受託ソフト開発からサービス提供など付加価値の高いビジネスへ転換し、ITやデジタルの専門集団として、ユーザー企業のイノベーションを共に創造する次世代SIのビジネスモデルを創り上げることだ。ITエンジニアらには、これまでのシステム構築における論理的な思考の左脳を使うことから、右脳を働かすアイデア発想への進化、発展を求められる。それがデザイン思考だ。

 デザイン思考とは、デザインの手順や手法を利用し、ビジネスの問題や課題を発見、解決するための考え方。共感から問題定義、アイデア、プロトタイプ、テストへとデザイナーの思考と作業要領のプロセスを取り入れている。リンクレアによると、多くのITエンジニアは、計画やマネジメント、説得などといった価値実現力を求められてきたが、これからは新たな価値を創造するイノベーターとして、「おかしいな」と思ったり、試したり、人とつながったり、挑戦したりする価値発見力が必要になる。

 デザイン思考研修は、講義、実例を通じて、デザイン思考のプロセスを学び、デザイン思考を体感するプロセス体験ワークに入る。参加者同士でのグループワークやプロトタイプ・テストフェーズを体感した。最後に、体験を振り返り、デザイン思考を取り入れる際のポイントを学ぶ。(田中克己)

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