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NEWS&TOPICS

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2019.02.07

CMOの新たな役割

  「CMO(チーフ・マーティング・オフィサ)には、様々な事業部門をつなぐ役割がある」。アクセンチュアがグローバルでCMOの役割を調査したところ、新たな役割がコラボレーションであることが分かったという。広告・宣伝も担当するCMOこそ、企業全体で顧客体験をいかに形成し、提供していくかという重要課題に大きな力を発揮できる立場にいるという。たとえば、社内のカルチャー変革を担う。組織や部門をつないで社内のマインドセットを浸透させる。
 ただし、日本のマーケティング部門の地位が低いという。「良いものを作れば売れるという、プロダクトアウト志向がいまだに存在するからだ」。数字を背負う営業部門の発言力に比べて、マーケティング部門の発言力が弱いこともある。結果、広告代理店に頼るケースが少なくない。だが、ネット専業やコンサルティング会社、SIerとの協業もマーケティング上、重要になってきている。マス広告以外を使って、顧客にアプローチするためだ。
 ところが、多くの日本企業に、それに応えられる人材が育っていない。ゼネラルリストは育成するが、デジタルなど専門スキルを駆使するマーケティング人材を育ててこなかった。デジタルの知識がないと、広告代理店などのベンダーをコントロールできず、言いなりになる。データの整備やシステム対応の遅れから、自社データを活用できないことにもなる。
 だからこそ、CMOが人事や営業、経営企画、ITの責任者と対応に渡り合える力を持つ必要がある。他部門との連携なしに、新しいマーケティングを取り入れることは難しいからだ。同時に、売り上げなどの責任も持つ。ブランドの認知度などが売り上げにどう結びついたか仮説をたてて、実証することも求められる。だがCEOやCOO、CIO、CDOなどCxOはたくさんおり、それぞれの役割がいまひとつ理解できない。全員が同じような役割を担えといっているようにも思える。(田中克己)

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