「こんなことができる」「あんなこともできる」といったニュースがたくさんあるが、それを鵜呑みにすると判断を間違う。ガートナージャパンの鈴木雅喜氏は11月14日に開催された同社主催シンポジウムで、ブロックチェーンの成功事例を疑いの目でみることをIT部門に助言した。
ブロックチェーン活用に関するPoCに取り組む例は山のようにある。だが、その9割は既存システムで実現可能なこと。ブロックチェーンの技術が活かされていないことが多いという。実は、テクノロジーを説明するのは難しいし、実際に何に使えるのかはっきりはしていないので、「生み出す価値とビジネスへの影響の議論が今も続けている」(鈴木氏)。
「一歩引いて対応すること」と、鈴木氏は慎重な対応を勧める。「社長から言われたから」と言っても、安易に手を出さないこと。場合によっては、「時期はまだ早いです」と答えることも必要だ。PoCをするとしても、500万円とか少額に抑える。安価なクラウド上のサービスを利用する手もある。とはいっても、無視はできない。トレンドをしっかりつかんでおく。(田中克己)
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2018.12.04