自動車部品大手の仏ヴァレオがCES2024で、電気自動車(EV)用のワイヤレス充電ステーションの開発計画を明らかにした。厚さ5cm程度の充電ステーションで、家庭の駐車場や自動運転車の誘導エリアなどに設置し、EVが自ら充電するもの。2027年に出荷する予定。
これまでの充電ステーションの85kHzに対して、ヴァレオは約3kHzの低動作周波数を使用し、細いコイルなどによって、同装置の重さも半分程度になるという。7KW、11KW、22KWの3タイプがあり、構造をシンプルにし、価格も安くなるという。グリッドからバッテリーまでの効率は、他社製の85%から90%に対して、ヴァレオ製品は92%から93%だという。充電時間も誘導性液体による冷却システムなどによって、30%短縮できるという。また、停電時には、EVの電気を使えるよう双方向も実現する。
同社CEOのクロストプ・ペリア氏は記者会見で、「(EV市場における)充電ステーションは重要な差別化要素で、顧客の期待に満たすための資産となり始めている」と語り、充電ステーションにおける地位を強化するという。(田中克己)