第11回イノベーションリーダーズサミット(ILS)が12月4日から7日までの4日間、東京都内で開催された。大企業とスタートアップをマッチングし、新しい事業の創出を目的に2014年に発足した組織が主催するもので、J-startupやNEDOドリーム、日本政策金融公庫など約60のピッチや講演会のほか、食品やマーケティングなど分野別の交流会が約20も開催された。ピッチはどれも立ち見で、熱気を感じた。講演後の名刺交換コーナーも用意する。
出展ブースも賑わう。韓国やイタリア、オーストラリアなどのスタートアップを含めて80社超が展示。その中で、取材した2社を紹介する。1社は静岡県浜松市に本社を置くゼロワンだ。19年7月に創業したデジタルツインソリューションの企画開発などを請け負う同社は23年9月にデジタルツインIoTソリューションシステムno-mizの開発を発表した。人の流れや混雑度、移動履歴などをリアルタイムに表示するもの。例えば、病院の待合室における人の滞留などから二酸化炭素や湿度、温度などの空気環境を可視化したり、商業施設の混雑状況を施設者、利用者にも公開したりする。センサーは、自動運転などに使うLiDARセンサーを使用する。
もう1社は、自動車関連ソフトの受託開発を展開するiPXだ。同社担当社によると、先行開発など難易度の高い案件の受託開発だったが、類似の案件が増えたことで、いくつかをパッケージソリューション化したという。例えば、工場などの物流コストの最適化サービスや物流現場を3次元化し、シミュレーションするソフトなどだ。それらを組み合わせたものを、Webサービス化し、25年度中にリリースする計画も立てている。(田中克己)