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IT最新事情

2020.11.18

5つのCX成熟度の強化策

 米Zendeskが調査会社ESGと共同で、このほど顧客体験(CX)成熟度を調査した。製品担当プレジデントのエイドリアン・マクダーモット氏は「どのような成果を上げているのか、それを定量化する」と、調査の目的を説明する。CX成熟度を3つのレベルに分類すると、成熟度の最も高いCXチャンピョンが24%、初期段階のスターターが42%となり、「適正な分布で、チャンピョンの1人あたり顧客支出額の伸び率はスターターの8.7倍になる。市場シェアの拡大、経営層の積極的な投資・サポートがある」。たとえば、新型コロナ禍にスムーズにリモートワークへの切り替えも進むが、日本企業でリモートワークにスムーズに移行したのは全体の10%にとどまる。

 マクダーモット氏はCXを強化する5つのコツを紹介する。1つはすべてのサービスをセルフサービスにすること。レスポンスが高くなる。高齢者だけではなく、新型コロナでセルフサービスのニーズは高まっている。米ハ-バードレビューによると、81%が自分で解を見つける。ガートナーもセルフサービスによる解決時間を短くする効果を指摘する。「まずは自分で検索し、答えを見つける。見つからなかったら、検索の言葉を変えて、再び検索する」。製品やサービスの提供者側もセルフサービスの提供で、必要な社内リソースを削減できる。顧客自身が自ら答えをみつけることを高めるためにFAQをアップデートしたり、ポッドや機械学習などでコンテンツを拡充したりもする。

 2つめは、LINEのようなメッセージングを活用すること。世界の85%が使っており、製品やサービスの提供者はチャネルを増せることでもある。「CXを高めて、効率的でもある。しかも問い合わせの記録が残る」。顧客を覚えていることでもある。3つめは、「AIはガラクタではない」こと。あるゲーム会社はボットに対応し、新型コロナ禍でも利用頻度が300%向上したという。ボットはストレスを小さくし、効率をよくする。

 4つめは「データがあなたを自由にする」こと。データ量は年々急増し、5年前に比べて3倍にもなる。半面、「ノイズがたくさんあり、その中からシグナルを読み取るのに時間がかかり、解を導くのも大変だ」。しかも、解析ツールが使いづらく、専門家でないと、使いこなせないこともある。

 最後のコツは「開発者をクビにすること」。CXへの投資はこの1年間で、積極的投資が8倍にもなった。半面、ソフト開発のリソースが潤沢ではない。なので、24年にはアプリ開発の65%がローコード開発になると、ガートナーは予測する。それをシチズン・デベロッパと呼び、彼らの台頭によって、既存ソフト開発者の存在価値が薄れるという。生き残るソフト開発者は効率を20倍にする必要があるという。(田中克己)

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