メニュー

NEWS&TOPICS

NEWS&TOPICS

2025.03.14

[MWC2025] SKテレコムやテレフォニカなどの展示

ここでは、欧米やアジアの出展企業をみてみる。

SKテレコム、AIテクノ中心に展示

 韓国通信事業者のSKテレコムは「革新的なAI、未来を加速する」というテーマで、AI技術を中心に展示する。1つは、クラウドに大規模言語モデル(LLM)、デバイスに小規模言語モデル(SLM)をそれぞれ搭載し、推論を可能にする「AIルーティング」技術や、複雑に接続された移動通信設備を最適に制御する「AIオーケストレーション」ソリューションになる。北米市場向けにカスタマイズしたパーソナルAIエージェントAsterも紹介する。このほかの展示には、堅牢な検証プロセスのゼロトラストフレームワークを採用し、内部データからデバイス、アプリケーション、個人情報までを保護し、リモートハッキングを防ぐAIDCセキュリティテクノローAIDC SecureEdge、基地局設備にGPUなどのチップセットを適用し、通信とAIサービスを提供できる「AI-RAN」などを紹介する。4YENの会場では、AI関連のスタートアップ10数社が出展するブースも設けるなど支援する。

テレフォニカ、量子コンピュータの可能性を

 スペイン通信事業者のテレフォニカは量子コンピューティングとIoT、そしてAI活用の可能性とオープンゲートウエイAPIによる可能性を紹介する。注目したのは、量子暗号化を備えた安全な5Gプライベートネットワーク、eSIM、送信データを保護するためのネットワークの保護、IoT接続を提供するためにQuantum-Safeテクノロジーをどのように適用するか確認ができること。5Gネットワークの高度な接続性がもたらす機能を活かしたユースケースも紹介する。直接参加できない人のために、イベントを体験できる2つの仮想ウィンドウを用意し、同社ブースで行われるすべての出来事を、自宅からウオッチすることができる。

モバイルワールドキャピタル、没入型展示を披露

 スペインのモバイルワールド・キャピタル・バルセロナは日常生活を変革し、新しい都市環境を形成するテクノロジーを紹介する没入型展示会Living in Techを披露する。物理的世界とデジタル世界を融合した象徴的な空間デジタルロッジアを再現するとともに、ヒューマノイド・ロボット、スーパーコンピュータ、仮想アシスタントが人間と自然に共存しながら生活の質を高めるという新しいパラダイムを表す日本発コンセプトのSociety5.0のテクノロジーに気がつく仕組みにしたという。また、5つのインタラクティブな体験を通じて、テクノロジーが都市環境における二酸化炭素排出量の削減、公共サービスの向上、高齢化社会の支援など、主要な社会的課題に取り組む方法としても示す。

DriveNets、ネットワークソリューションのデモ

大規模スケールに対応したクラウドネイティブ・ネットワーキング・ソリューションなどを展開するイスラエルのDriveNetsは「統合ソフトウエアベースのインフラに向けたネットワーク変革」をテーマに、ネットワーク近代化プロジェクトの課題と機会、生成AIツールの役割、それらが顧客体験とサービス革新にどのような影響を与えるかを議論する。ブースでは、Network Cloud-AIソリューションのデモも行う。

Airgain、太陽光発電ソリューションを展示

 ワイヤレス接続ソリューションを手がける米Airgainは遠隔地などアクセスが困難な場所、信号が混雑するエリアに5Gカバレッジを拡張する太陽光発電ソリューションLighthouseを展示する。同社によると、5Gの導入が加速する中、カバレッジギャップは依然として大きな課題となっており、同ソリューションが持続可能なエネルギーを使用してシームレスで信頼性の高い接続を実現することで、ネットワーク拡張を再定義するという。

Accuver、ネットワーク品質分析チャットボットなど

 香港などにオフィスを構えるAccuverはモバイル通信業界におけるAI導入の拡大傾向に合わせ、AI主導型ネットワーク・イノベーション・ソリューションを展示する。LLMベースのネットワーク品質分析チャットボットXQbot、基地局データベースの位置測位ソリューションAEGIS-AP LPS、AI/MLを活用したリアルタイムビデオ品質測定ソリューションVQMLなどだ。その中で、同社AIチームが開発したXQbotはLLMベースのチャットボットで、自然言語によるクエリを理解し、データベースからデータを取得し、分析結果を直感的かつ視覚的に表示する。XCAP-Cloudとの連携で、ユーザーは複数のステップを踏むことなく、モバイルネットワークの品質ログデータを迅速に取得・分析できるようになるという。

HFRとSateliot、LEO衛星向けソリューション

 韓国HFRは、LEO(低軌道)衛星やプライベート5Gコンバージェンス、コスト効率を図ったというAI-RANベースのMy5GBox、最適化された5G運用のためのSOC/NOC/クライアントポータルなどの統合ソリューションを展示する。スペインのIoT向け5G標準に基づくLEO衛星接続テクノロジーを持つSateliotも100 基を超える衛星を通じて世界中の未カバー地域にリアルタイムの接続を提供することを目的とした取り組みを紹介する。

pureLiFi、ブリッジングシステム

 pureLiFiは数百万人のユーザーに高速ブロードバンド接続を提供できる通信事業者向けブリッジングシステムを展示する。セルフインストール可能な同システムはワイヤレス電力と光を使用し、家庭やオフィスにブロードバンド信号を提供する。ホームオフィスやその他の場所での接続性をどのように再定義するかも紹介する。数億のデバイスを統合できるLiFiを使うのが特徴。WiFiや 5Gなど従来のワイヤレステクノロジーとは異なり、無線周波数の代わりに光を使用し、一般的な制限を克服したものだという。

Whispp、発話障害向けアプリ

 オランダの音声サポート技術スタートアップのWhisppは、AIを使って発話障害のある人向けに明瞭で自然な会話を実現するサービスのアップグレード版を紹介する。このアプリは発話障害のある何千人を支援しているという。ビジネスユーザーでは、ささやき声を自然な声に変換し、プライバシーを強化できるとし、ビジネス使用例を拡大している。例えば、エッジAI処理を使用することで、ビジネスユーザーがリアルタイムでコミュニケーションできる新しい方法を発見したという。人の通常の声を再現する機能は、混雑時などに有効。加えて、ささやき声を処理する機能により、電話やビデオ通話で話すときに、機密情報や秘密情報を人前で慎重に伝えることもできるという。

AWS、マネージドインテグレーション

 AWSはAWS IoT Device Management のマネージドインテグレーション機能のプレビューを発表した。同社によると、互換性のないデバイス、多様なプロトコル、相互運用性を確保するうえで壁となる複数の制御システムなど、分断から生まれる課題に直面している。そうした状況に対応するため、デバイスとの接続のためのクラウドおよびデバイス向けソフト開発キット、ZigBee、Z-Wave、Wi-Fi 仕様のプロトコルサポートを含むマネージドインテグレーションを提供する。開発者らがAWS の IoT、機械学習、AI サービスを活用し、ソリューションを効率的に開発、スケールすることも支援する。

 このほかIBMは量子コンピュータにChat GPTの活用やフットボールゲームにAIを活用したり、グーグルクラウドはAIネットワーク・オペレーションやカスタマインター楽ションなど様々なアプリにGeminiを活用したりする。シスコはAIドライブの未来に向けてセキュリティやネットワークオペレーションセンターなどを紹介する。大手コンサルティング会社がモビリティの未来や生成AI活用などの世界を示す。ボストンコンサルティング、アクセンチュア、PwC、マッキンゼー、デロイト、アーサヤングなどが同じフロアに出展する。ベトナムの移動通信事業者、Vitellは5GのオープンRAN、5Gの物流への活用などをアピールする。インドの有力ITサービス、HCLテクノジーズのブースでは、同社で情報通信業界担当最高成長責任者のAnil Garjo氏がSAPやマイクロソフトとのパートナーシップなどで多く成長を遂げられることを強調していた。(田中克己)

pagetop