スタートアップへの支援などを推進してきた米シリコンバレー銀行が3月10日、連邦預金保険公社 (FDIC) によって閉鎖された。預金者らを保護するために、FDIC は預金保険国立サンタ クララ銀行を設立し、預金を直ちに 転送したという。13日に営業を再開そうだが、スタートアップやベンチャーキャピタルの間で衝撃が走ったという。従業員への給与支払いに支障をきたした企業もあるという。
業界関係者は「9日、10日は大騒ぎになっている。スタートアップが一時的に資金繰りに詰まり経営破綻してしまう可能性もあるかもしれない」と危機感を募らせる。現地の報道では、スタートアップの半数がシリコンバレー銀行との関係を持っていると伝えている。
FDICによれば、シリコンバレー銀行の総資産は2090 億ドル、預金総額は1754 億ドルだという。10日時点で銀行は閉鎖されており、口座へのアクセスができない状況にあるそうだ。FDICが保証するのは25万ドルで、預金は同行に集中させているスタートアップは厳しい状況に追い込まれる可能性もあるという。そうした中で、銀行からデジタルバンキングへと見直す機運が高まりを指摘する報道もある。（田中克己）
