PwCが1月20日に発表した「第29回世界CEO意識調査」結果によると、自社の売り上げ見通しに対するCEOの自信が過去5年で最も低い水準に落ち込んだ。一方、CEOの10人に3人(30%)が「今後12カ月間の売上成長に自信がある」と回答した。2022年の56%、2025年には38%に低下していた。多くの企業が投資をまだ持続的な収益につなげられていないことを示しているという。調査は95カ国・地域のCEO4454名の回答に基づいている。
CEOの最大の懸念は、AIを含む技術革新のスピードに歩調を合わせて自社が変革を進めているかにあると。CEOの42%がこれを最大の懸念として挙げており、イノベーションの能力や中長期的な存続可能性に関する懸念(いずれも29%)を大きく上回っている。
AI導入によるコスト削減と売上成長の両面で「成果を上げている」との回答は12%にとどまる。33%がコストまたは売り上げのいずれかで成果を上げていると報告している一方、56%が「大きな利益を上げていない」と回答する。
強固なAIの基盤を確立した企業のCEOは、大きな利益を報告する可能性が3倍も高い。同社の別の分析によれば、AIを製品、サービス、顧客体験に幅広く導入している企業は、導入していない企業よりも4ポイント近く高い利益率を計上しているという。
PwCグローバル会長のモハメド・カンデ氏は「2026年はAIにとって決定的な年となりそうだ。一部の企業は既にAIを測定可能な利益につなげつつある一方、他の多くの企業は依然として試験的導入の先へ進むことに苦戦している。この差は自信や競争力に表れ始めており、行動しない企業にとっては急速に拡大するだろう」とコメントする。
CEOの自信は一段と弱まっているという。世界のCEOの5人に1人(20%)が、自社が今後12カ月間で関税から損失を被るリスクについて、「非常に懸念している」あるいは「極めて強く懸念している」と回答している。ただし、そのリスクに対する脆弱性は地域によって大きく異なり、中東地域が6%、中国本土が28%、メキシコが35%、米国が22%だった。
サイバーリスクに関する懸念については、CEOの31%が主な脅威の1つに挙げる。その割合は25年の24%や24年の21%を上回っている。 「マクロ経済の変動」(31%)、「革新的テクノロジー」(24%)、「地政学的対立」(23%)を懸念する割合もわずかに高まっている。
CEOは「変革が成長にとって不可欠」との認識をますます強めている。10人のうち4人強(42%)が、自社が過去5年間に新たな業界の企業と競合するようになったと回答している。大規模買収を計画している企業の44%は、自社が属している業界以外への投資を予定している。また、CEOの半数強(51%)が今後1年間で国際投資を計画する。米国が投資先のトップで、35%のCEOが米国を投資先の上位3市場に挙げている。英国(13%)、ドイツ(13%)、中国(11%)への関心も高い。インドへの関心は前年比ほぼ2倍の13%にもなった。(田中克己)
https://www.pwc.com/gx/en/issues/c-suite-insights/ceo-survey.html





